小水疱型白癬は文字どおり小さな水ぶくれができる水虫です。
2つのタイプに分かれます。
乾燥するタイプの水虫は足の裏、特に土踏まず周辺を主として水疱(水ぶくれ)が発生して、しばらくすると乾燥してガサガサになります。
そこからはフケのように細かい皮膚片が落下するようになります。
もう一つは赤い斑点状の水ぶくれがたくさんでき、中に膿が溜まったタイプの場合もあります。
どちらのタイプであっても完治まで数カ月以上時間が必要であることを覚悟しておこう。
水ぶくれをどうする?
小水疱型の水虫で多くの人が、やっぱり気になってしまうのが水疱(水ぶくれ)の処置です。
皮に穴をあけ、中の水を出してしまう人も大勢いますが、水疱はつぶしてはいけません。
水疱はつぶしてしまうと、そこから別の菌が侵入して化膿したりする二次感染を起こしてしまったりするからです。
薬を塗っていれば、その有効成分が皮膚に浸透していき水痕は自然と消えていきます。
大豆くらいの大きな水疱の場合
大豆くらい大きな水ぶくれの場合は先ほどとは対処法が違ってきます。
そのままにしておくと「白癬疹」という真菌アレルギーを引き起こしたり、何かの拍子につぶれて、他の細菌に感染してしまうこともあるため、早めにつぶしてしまったほうがよいでしょう。
水ぶくれの処置方法
つぶすときは他の細菌が患部から入り込まないように気をつけなければなりません。
- 水抱をつぶす前は消毒薬で十分に患部を消毒するか、もしくは石けんで足をよく洗います。
- 消毒を済ませた針で水疱に一カ所だけ小さな穴をあけ、その上に消毒作用のある軟膏を塗ったガーゼを貼ります。
このガーゼは、一日一回取り替えます。
これを1週間続ければ、水疱は徐々にカサブタになっていくでしょう。
白癬疹(はくせんしん)に気を付けよう
白癬疹とは水虫の菌である白癬菌に対してアレルギー反応をおこして水ぶくれなどが発生してしまう症状です。
アレルギー反応なので白癬菌が死んでしまっても、触れていることでアレルギー反応が起こってしまいます。
小水疱型の水虫は、白癬やこの菌が出す毒素が血液中に入りやすいため、水胞をともなう白癬疹を併発することがあります。
もし、足の裏の水疱と同様のものが手のひらにも発生したときには、これは白癬疹である可能性があります。
白癬疹は水虫とは異なる治療法が必要になってきます。
小水疱型白癬の治し方のポイント
お風呂あがりに薬を塗る!
これについては他の水虫にも言えることですが、お風呂上がりの皮膚はふやけているのでやわらかくなっています。
足の裏の皮膚はとても分厚いので、その厚さが障壁となり、 白癬菌が繁殖している部分までまでしみ込みにくいので、薬の効果が得られにくいという難点があります。
そこで、薬はなるべく風呂上がりに塗る!という作戦です。
そのためこの状態のときに薬を塗れば当然浸透しやすいのです。
浸透しやすいということは菌に薬が届きやすいということですから!
石鹸で洗おう!
水虫どうこうではなく、これについては当然だと思いますが、ちゃんと石鹸で足を洗いましょう。
足をキレイにしてから薬を塗ることが大切です。
万が一、入浴できない日でも足だけは洗っておきましょう。
継続して続けよう
軽症の場合は、1日1回、風呂上がりにクリーム剤を患部に塗るようにします。
思っているより広範囲に塗ります。
患部から周辺5センチほど塗り広げます。
まずは2週間つづけましょう。
塗り続けると「お?改善している!」と自覚してくるでしょうが、そのまま続けて3カ月継続しましょう。
足の皮というのは分厚く、そして他の皮膚よりも新陳代謝が遅いので皮膚が入れ替わるまでかなりの時間を要するのです。
小水疱型白癬と外用薬
小水疱型白癬に感染して特徴的なのが、他の症状に比べて一段とかゆみが激しいことです。
とてもかゆいので、これを和らげたくて刺激性の強い外用薬を用いたくなる人もいます。
しかし、これをしてしまうと、たとえ白癬菌を殺せたとしても、自分の皮膚をも傷つけてしまう危険性が高いため、注意が必要です。
誤った治療は水虫の悪化や別の皮膚病の原因にもなりえるので、専門医の診察を受けて正しい治療をすることが最も早く治る方法です。
でもどうしても我慢できない人は、極力刺激性の少ない薬を選んでください。
「テルビナフィン」がおすすめ
様々な種類の塗り薬がある中で角質増殖型の水虫には、従来のモノより白癬菌への効果が高く、角層へよく浸透し、なおかつ細胞に薬剤がとどまる時間が長いテルビナフィンが良いでしょう。
ラミシールクリーム
”有効成分テルビナフィン塩酸塩”を含有した外用抗真菌薬です。
幅広く様々な種類の真菌に対して効果があり、特に白癬菌に対して強力な殺真菌作用を示します。
塩酸テルビナフィンが有効成分なので1日1回でオッケー
めんどくさがりさんや忘れちゃう人でも大丈夫。
お風呂上がりにの足に塗り込む習慣を始めましょう。
効果
- 白癬(足白癬、体部白癬、股部白癬)
- 皮膚カンジダ症(指間びらん症、間擦疹(乳児寄生菌性紅斑を含む))
- 癜風(でんぷう)
有効成分 | テルビナフィン塩酸塩 |
内容量 | 15g |
1本 | 1,551円 |
2本 | 2,655円 |
ラミシールクリーム ジェネリック
ラミシールクリームのジェネリック医薬品です。
成分はそのままで内容量2倍なのにお値段はほとんど変わらない。
お買い得ですね。
有効成分 | テルビナフィン塩酸塩 |
内容量 | 30g |
1本 | 1,528円 |
2本 | 2,230円 |
3本 | 3,172円 |
注意が必要な場合
強い炎症を生じたタイプ
この場合紅斑(赤い斑点)が多発して膿疱(ウミの入った水ぶくれ)も見られる。
このタイプは炎症症状が強いので、本人も痛みやかゆみの症状を自覚しています。
このような症状の時に、不用意に外用抗真菌薬を使用すると症状が悪化することが少なくありません。
それは、足白癬の症状というのは、白癬菌抗原に対する一種の接触アレルギー反応と考えられるので、塗り薬による刺激性皮膚炎が起きやすい状態となっているのです。
とても敏感なんですね。
内服薬を使おう
初期段階の角質増殖型の水虫の場合は、塗り薬を根気よく続ければ治すことができるでしょう。
しかし、皮膚の広い範囲に重度のガサガサが広がっている場合、薬はなかなか浸透しません。
そんな時は内服薬も併用しましょう。
まだ軽度の場合、イトラコナゾールまたはテルビナフ ィンを一週間内服し、まずは様子をみよう。
これらの薬は2~3週間は皮膚内にとどまって殺菌することできるので、一週間内服でも十分に効果を発揮することが期待できます。
しかし、角化が進行した角質増殖型足白癬の治療は、イトラコナゾールもしくはテルビナフィン内服を行いながら、抗真菌薬の外用を併用することが最も効果的です。
さらに内服薬を飲み切ったあとも、さらに約 2~3 カ月の外用塗り続けることで、再発率をグッと低下させることができる。
逆にいえば、これくらい徹底的にしぶとくやらなければ水虫を根絶できない。と言えるでしょう。
テルビナフィン
イトラコナゾールとテルビナフィンの2種類をあげましたが、まずはテルビナフィンを選びましょう。
イトラコナゾールよりも価格が安く、他の薬との併用禁忌がなく、副作用が少ないのが特徴です。
また、使用期間がイトラコナゾールより長いのが短所です。
6か月毎日服用です。
角質への浸透性としては中程度ですがよく届きます。
薬剤の血中濃度が低下しても2~3週間は皮膚に残り殺菌します。
諸外国では、1日250mgを使えばイトラコナゾールと比較するとコチラのほうが効果があると言われていますが、日本では125mgを基準としているようです。
肝機能に障害がある人は使うことができません。
ラミシール 250mg
角質増殖型足白癬の治療の場合
1日 1回 0.5錠(125mg)
連日6ケ月 服用しましょう。
1箱で14週分ある計算になります。
副作用
約10%の人に副作用が出ることがあります。
胃部不快感や下痢、腹痛などで、多くの場合1か月~1か月半あたりで起こるようです。
お薬が合わない場合は使用を中止しましょう。
有効成分 | テルビナフィン |
内容量 | 1箱 28錠 |
使用量 | 1日 1回 0.5錠 |
価格 | 2,844円 |
イトラコナゾール
角質親和性が高いです。つまり細胞への浸透性が良いので深く効くというイメージですね。
内服を中止しても4週間、細胞に残って効果を発揮します。
欠点としては、他の薬との使用禁忌が多く、コストがやや高いのが短所です。
肝機能に障害がある人や妊婦は使えない。
イトラコナゾールとパルス療法
イトラコナゾールは、細胞に薬剤が残りやすい特徴を利用して、パルス療法という治療ができます。
通常、成人にはイトラコナゾールとして
1日 2回 | 1回 200mg |
これを1週間続ける。
その後、3週間休薬します。
再び1週間飲み続ける。
100mgのカプセルが84錠必要になる計算です。
イトラコナゾール服用のポイント
イトラコナゾールは食事による影響を受けやすい特徴があります。
脂に溶けやすい性質があるので、必ず吸収率がよい食後に服用しましょう。
このような報告があります。
コーラ(コカコーラなど)を併用などすると胃酸のPHを下げることができ、薬剤の吸収が良くなるとされている。
この場合、ごはんと一緒にコーラを飲める人にはおすすです。
スポラル 100mg
有効成分 | イトラコナゾール |
内容量 | 1箱 4カプセル |
使用量 | 1日 2回 1回 2カプセル |
価格 | |
4箱 | 2,951円 |
7箱 | 4,758円 |
10箱 | 6,611円 |
12箱 | 7,950円 |
イトラスポア 100mg
有効成分 | イトラコナゾール |
内容量 | 1箱 28錠 |
使用量 | 1日 2回 1回 2カプセル |
イトラスポアなら1箱で1週間分のパルス療法を行うことができます。
価格 | |
1箱 | 4,896円 |
2箱 | 8,563円 |