白癬

白癬菌アレルギー

生きている白癬菌でかゆくなったり、赤くなったりというのは当たり前ですが、死んだ白癬菌にまで反応を示す人がいます。

それは、白癬菌という抗原に対して過剰反応をしてしまう、アレルギー体質になってしまっているのです。
こうなっているとアレルギー炎症も伴うため症状はいっそう激しくなります。

白癬菌アレルギーになぜなる?

白癬菌は角質層に寄生していて、普通その奥までは侵入しません。
角質層が大好きなのですから。

しかし、白癬菌の出した代謝産物は違います。
皮膚の深部、さらには血管やリンパ管内に透過してくることがあります。
白癬菌の増殖が活発になり、代謝産物が増えれば血液やリンパ管内に入る抗原量も増えます。
そのため、体は白癬菌の活動を防衛するためにリンパ球をはじめとするいろいろな免疫細胞が活性化物質を作ります。

こうなることにより、白癬菌やその代謝産物に対して過剰反応するようになります。
これが白癬菌アレルギーです。

白癬菌アレルギーから白癬疹になる

白癬菌アレルギーになることによって引き起こされる症状の一つに白癬疹があります。

白癬疹は頭部や足などの白癬になった部分が悪化して、発疹が発生するものである。
糸状菌やその代謝産物に対してアレルギー反応を発症します。

白癬疹はアレルギー反応であるため、顕微鏡で見ても、培養しても菌は検出されない。足白癬の炎症に伴い白癬疹が発症する場合は、手指に汗疱様発疹が生じることが多い。

白癬疹の症状は多彩で、いろいろな病型がありますが多いのは下記の2種類

汗疱様白癬疹 (かんぽうようはくせんしん)

手指の指腹、指間、手のひら、ときに手背に丘疹、水疱ができる。
足白癬の調子が悪くなったときや治療が間違っていた場合などにともなうこともある。

手の汗疱様白癬疹は白癬患者の約1%に見られるとされている。

手足に多数の粟粒大の小水疱を作りだし、その中で白血球が自由に走り回り膿疱になります。

  • 膿疱とは
    水ぶくれで中には粘度の高い膿が入っています。
    膿は壊死した白血球でできています。

手のひらと手指にもっとも多く表れて、手の水虫にとても良く似ていますが違います。
白癬疹はアレルギーが原因のため、そこに菌はいません。
そのため他の部位に感染したり、人にうつったりということはありません。

苔癬状白癬疹 (たいせんじょうはくせんしん)

小型の毛包一致性丘疹が対称性に、体幹、四肢に反発して見られる。
ときに顔にもでき、丘疹の中央に角化をともなうこともある。

ケルスス禿瘡や足白癬に伴うことが多く、水疱、膿疱を伴うこともあり、半数に発熱、頭痛、全身倦怠、リンパ節腫脹がみられる。

主な原因

  • 水虫の急性期であった
  • もともとの水虫が重症だった
  • 足の裏に小水疱がどんどん現れていた
  • 治療が適切ではなかったためにかえって皮膚がただれてしまった

共通して言えることは、水虫をほったらかしにしたり、素人療法を続けているうちに悪化してアレルギー体質になってしまったため、ということです。

白癬菌アレルギーの検査方法

トリコフィチン反応という方法を用います。
これは、白癬菌を長期間培養することで得られる菌の代謝産物を多く含んだ培養液を注射し、 二日目に反応をみる方法です。
もちろん、生きた菌は含まれていません。アレルギーの原因物質だけ注射するというやり方ですね。

アレルギー体質でなければ反応はありません。
アレルギー体質になっていれば反応してしまうということです。

もし、白癬疹を併発してしまったときには安静が第一です。
水虫の治療とともに、10日間ほど白癬疹の治療を集中して行う必要があります。

白癬疹が悪化すると体中にできることも

白癬疹は悪化させると体中に現れ、リンパ節がはれて激しいかゆみがともないます。
こうなってしまうと自宅だけで治療はできなくなります。

まず、水虫薬の使用を中止し、湿疹の治療から始めます。
高熱が出たときには、化膿止めに抗生剤の使用が必要になってきます。

また、副腎皮質ホルモンを使用することもありますが、乱用するとかえって悪くなるので治療には皮膚科医の診断と治療が必要になるでしょう。
治療は、十分な休養をとり、症状にあった薬を選ぶことが大切です。

患部はせっけんできれいに洗って清潔にしましょう。
夏になって水虫がひどくなり、白癬疹を発症させる人がたくさんいます。

水虫を放置してはいけません。ほうっておくと白癬菌アレルギーになりますよ!

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