水虫の原因菌である白癬菌はどこからきてどんな風に感染するのかを知りましょう。
水虫の菌である白癬菌
人から人へと感染経路を広げていく白癬菌で、主要な菌は
- トリコフィトン・ルブルム
- トリコフィトン・メンダグロフィテス
などというものでこれをヒト好性菌といいます。
文字どおり人が大好きな菌で好んで寄生しています。
水虫患者の実に90%以上がヒト好性菌の感染によるものなんですね。
まずはどんな風にしたら感染するのかを知りましょう。
白癬菌に感染する条件 (水虫になる条件)
感染するにはまず足にくっつくところから始まります。
足にくっついた白癬菌が角質層に侵入することで感染して水虫になるわけです。
しかし、そうなるためにはこの条件がそろわないといけない。
- 温度35度以上
- 湿度は85%以下では侵入できないが、湿度90%以上で侵入する。
(湿度が高いほど侵入速度が速くなる。) - 24時間、皮膚に接触している。
この条件を満たせば、誰でも感染成立となる。水虫になるのである。
一部の菌が角質に侵入、または角質に外傷があると半日で感染してしまう。
水虫はどこからうつる
日本には水虫の人が約人口の20%以上いるとされています。
5人に1人は水虫持ちということになっちゃいますね。
そんな水虫患者でなんの治療もしていない、ほったらかしの人や気が付いていない人からは、かなりの確率で水虫の菌がばらまかれているのです。
水虫は人から人へ感染するケースが最も多いです。
体のさまざまな部位に寄生する白癬菌は、他人に伝染する力もあります。
たとえるなら・・・
箱の中にカビの生えたミカンがたった一つあるだけで、他のミカンがどんどんカビにおかされていくように、家族に一人水虫を持っているひとがいると、場合によっては家族全員が感染してしまうかもしれません。
水虫の人と一緒にいたらうつるのか?
白癬菌には、インフルエンザや風邪のウィルスほどの強い感染力があるわけではないので、感染者と同じ空気を吸っているだけでうつることはありません。
では、水虫の人と手をつないだり、足の裏をくっつけてしまったら、それだけで感染してしまうのか?
こんな風に考える人もいるかもしれませんが、安心してください。
このような直接感染はほとんどないと考えていいでしょう。
むしろ注意するべきなのは白癬菌が何かを介してうつるケースです。
水虫(足白癬)の感染経路
足白癬は白癬患者が白癬菌をばらまいて、白癬でない人の足に付着することから始まります。
皮膚の最外層である角質層に住み着いている白癬菌は、アカとなって皮膚が体外に落ちるときに、一緒にくっついていきます。
だた、いったん外へ追いやられたからといってすぐに死ぬことはなく、アカが干からびるまでは半年から1年の間生き続けているのです。
白癬菌の感染経路として主要なのはこの体外に落ちたアカが媒体になるケースです。
足にくっつく
下記のようなところには水虫の菌である白癬菌が潜んでいます。
水虫の家族がいる場合
水虫患者の家庭を調査したところ、家のいたるところで白癬菌が検出されたそうです。
その中で、白癬菌が最も多く見つかったのは場所は
- バスルームの足ふきマット
- スリッパ
- 畳
- じゅうたん
- 寝具
これらはすべて温度も湿度も十分にあり、白癬菌が再び人に寄生するチャンスを待ち構えているには適した環境であるといえるでしょう。
しかも人が最も接触する頻度の高い場所だけに、たくさんのアカが落ち、白癬菌は苦労せずに食料を得ることができます。
- ダントツ一位は、バスルームの足ふきマット
風呂上りは、皮膚がやわらかくなり、はがれやすくなっています。
それが足ふきマットに落ちれば、次に風呂から出た人の足に張り付いてしまいます。
気が付かないまま数日間すごせば、その人もまた白癬菌に感染してしまうでしょう。
ばらまかれている白癬菌はどうすればいい?
いろんなところに落ちている白癬菌をどう対処すればいいのか。
潜んでいる白癬菌の寿命はその環境や条件によって変わってきますが、乾燥していても数週間、湿っている環境であれば数カ月は生存可能です。
そのため、生活環境の菌の除去も大切です。
菌の減らし方
家庭内に散らばっている白癬菌を減らす方法はあります。
最も高密度で白癬菌が存在するバスマットは、通常の洗濯でほぼ菌をなくすことができます。
アイロンがけ、タオルで拭くなどでもかなり減少します。
床でも、掃除機をかける、水拭きする、ほうきで履くだけでも効果があります。
家庭の外の場合
家の中だけではなく、共同生活の場でも白癬菌は多く存在しています。
- スーパー銭湯
- 温泉
- ジム
- プールの脱衣所
- 病院のスリッパ
- 靴を脱ぐ飲食店
これらの公共の場所で靴を脱ぐことが想定される場合、水虫の人がかゆくてかきむしった足の裏から角質層が落ち、そこを歩いた人の足の裏に付着してしまうというケースも十分に考えられます。
他にもさまざまな場所で可能性があります。
これらの環境には、ほぼ100%白癬菌が付着していて、老若男女関係なく、裸足であるけば当然、足には白癬菌が付着します。
このような不特定多数の人が靴をぬいで利用する施設で、白癬菌を減らすことは個人ではほぼ不可能です。
- 靴下を履けば予防できるのか?
スリッパや足袋などならば足への付着を回避できますが、ストッキングや綿の靴下では繊維の網目よりも菌のほうがはるかに小さく足への付着を予防することはできません。
このようなことから、白癬菌が付着することを防ぐことはかなり難しいということになります。
感染を防ぐことはできないのか?
白癬菌の付着 = 感染成立
ではない。
足にくっついたらすぐ水虫!というわけではありません。
足を軽くせっけんで洗ったり、足をタオルで拭いたり、菌のないところを100歩あるく、など
付着しても素足のままでいれば足が乾燥して、付着した白癬菌の大部分は落っこちてしまいます。