症状が軽くなっても白癬菌を退治したとは限らない
水虫の完治とはどんな状態か!
それはあいつら白癬菌を皮膚の中から完全に死滅させ、健康な皮膚を再生させることです。
水虫薬の使用を始めれば、だいたい一カ月で症状の改善がみられますが、これは白癬菌の活動を抑えている段階に過ぎません。
足の皮膚は角質層が厚いため、すべて生まれかわるには少なくとも3カ月を必要とするのです。
そのため、たとえ軽症の人であっても最低3カ月は必要になるわけです。
さらに、なかにはしつこく残っている白癬菌がいて、3カ月を過ぎても再び活動を開始する時期をねらっていることもあります。
- 大切なポイントとしては
健康な皮膚を取り戻してからも、長いのですが半年から1年はそのまま薬の使用を続けることが、再発を防ぐことになります。
水虫の根治には冬こそチャンス
夏に発症した急性期の水虫は、冬が近づくにつれて症状がウソのように消えてしまうことが少なくないものです。
分泌液が流出し眠れないほどかゆかった患部がすっかり乾燥し、かゆみもひいてしまえば、誰でも治ったんだと思うことでしょう。
しかし、これは大きな誤解です。
白癬菌は高温多湿の環境では活発に増殖していきますが、気温が低く乾燥してくると活動を停滞させます。
つまり、冬は菌が減少し、「冬眠期」に入るのです。
実際、冬に症状が落ち着いている人に対して白癬菌の検査をしてみると、多数の人から菌が検出されます。
季節によって、症状に変化が出るのは白癬菌の活動の具合によるのです。
白癬菌は眠らない
では冬眠しているのだから、新陳代謝でアカとともに白癬菌もはがれ落ちていなくってくれるのか?
答えはノー!
あいつら白癬菌は、いくら冬眠しているからといってまったく動いていないわけではありません。
人間の皮膚は、冬でも当然のことながら新陳代謝を繰り返しているわけです。
ところが、この時期にも、水虫患者の多くから菌が検出されるわけです。
なぜなら白癬菌は冬眠と見せかけて、皮膚のケラチンを少しずつ食べながら、新陳代謝と同じくらいの速度で増殖し続けているからです。
とはいっても、菌の発育力が冬は夏に比べて格段に落ちているのは確かです。
このときに薬をつければ、白癬菌に大きなダメージを与えられます。
夏が終わり、症状が軽くなるにつれて、治療をストップしてしまう人が多いようですが、このときこそ白癬菌を根こそぎ追い出すチャンスなのです。
まとめ
水虫が発症した夏に薬の使用を始めたら冬になるまで続ける。
これは非常に大切なことですが、しかし、場合によってはそれも十分でないこともあります。
そこで、もう少しがんばって、冬を越すまで治療を続けましょう。
そうすれば翌年には快適な夏を迎えられることでしょう。