水虫やマラセチアなどの真菌類は、生きるために様々な物質を分解して別の物質を生み出している。
人間でいえば酸素を吸って、二酸化炭素を吐いている。
そんな感じ。
これを代謝産物といいます。
この代謝産物を照らすと光るライトがある。
ウッド灯というものを知っているだろうか?
ほとんどの人は聞いたことすらないのではないだろうか?
ウッド灯とは
ウッドガラスを用いた蛍光灯のことである。
9%の酸化ニッケルを含む暗紫青色のバリウム・ナトリウム・ケイ素ガラスで、可視光を遮断して紫外線を透過する特性のあるガラスです。
いわゆる「ブラックライト」です。
黒い色の蛍光灯で光っているようには見えない。だが紫外線Aは照射されています。
そのため直接見ると目に良くないので気を付けて。
ウッド灯の使い道
ウッド灯は、工業用として樹脂の硬化などに使われています。
紫外線硬化樹脂(しがいせんこうかじゅし)などですね。
UV硬化樹脂やUVレジンとも呼ばれています。
宝石や鉱石に
多くの鉱石は特有の蛍光を発するので宝石の鑑定などにも使われる、この光を使って物質を探し出すことができる。
偽造防止として
一万円札にも偽造防止のしくみが備わっています。
表にある朱印はブラックライトの元ではオレンジ色に輝きます。
再入場の際に
クラブだったり、テーマパークだったり再入場の際に見えないハンコを手に押されるが、ブラックライトで照らすことで発光するのでハンコが確認できる。
日焼けできる
日焼けサロンの光もブラックライトです。
紫外線Aがでているので日焼けすることが可能なのです。
しかし、角膜には紫外線は有害なのでゴーグルをする。
皮膚科でも行われるウッド灯検査
このウッド灯は皮膚科でも使われます。
菌の中にはウッド灯で照らすことで発光するものがたくさんある。
菌が生み出している代謝産物が光るので感染しているか見える化できるのです。
紅色陰癬(こうしょくいんせん)
紅色陰癬はコリネバクテリウム・ミヌティシマムという細菌による感染症です。
ほとんどが成人に見られる感染症で、糖尿病の人や熱帯地域の住人に多く見られる傾向があります。
紅色陰癬は真菌感染症と症状が似ています。
足の小指と薬指のあいだに水虫のような症状が見られるので、水虫になったと思う人もいるかもしれません。
男性の場合
鼠径部(そけいぶ)、股ですね。このあたりに多く発生し、太ももの陰嚢が触れる部分に、ピンク色や褐色のあざのようなものができます。
女性の場合
脇の下、乳房の下などの皮膚が擦れる部分、膣の開口部や肛門のあいだの部分にもできやすい。
肥満の中年女性や糖尿病の場合によく見られます。
感染が肛門の周辺まで広がる場合もあるようです。
赤色に輝く
紅色陰癬は真菌感染症と紛らわしい場合がありますが、コリネバクテリウム属の細菌に感染した皮膚は紫外線のライトで照らすとサンゴのような赤色に輝くため、容易に診断がつきます。
頭部白癬
頭に水虫の菌である白癬菌が感染した場合、頭部白癬と呼ばれる感染症です。
頭部白癬は特徴的な症状に、精神的にもストレスを感じてしまうでしょう。
円形脱毛や赤い斑点などが同時に多発します。
かゆみ自体はあまりありませんが、毛をひっぱると簡単に抜けてしまいます。
ひどくなると膿がでたり、リンパ腺がはれることも。
黄緑色蛍光に光る
Mカニスという種類の菌の場合、黄緑色蛍光を発する。
このM.カニスは猫や犬などからうつされることも多いので、ペットのほうもライトで照らして見ると発見できるかもしれません。
白癬菌についてはすべての菌が光って見えるのではなく、光るのは50%くらいの確率です。
そのためどのくらいの範囲が感染しているか?の目安として見える化はできますね。
癜風
でんぷうはマラセチア属の癜風菌という真菌による皮膚疾患です。
癜風菌は皮膚の常在菌なので、健康な人でも皮膚にいます。
症状
通常ほとんど症状は感じられない。
体や、頸部、腹部やときには顔に斑点が見られます。
ピンクや、褐色、白色だったります。
日焼けをしてもその部分が黒くならないので、斑点が目立ち夏場に気が付くことが多い疾患です。
常在菌なので感染したりしません。
ストレスなど免疫力が落ちたときに癜風が見られます。
金白色の蛍光
癜風は鈍い黄色の発光がみられます。
ウッド灯を使えば見える化できる
このように菌の感染が見えるようになるランプです。
菌によって色も違うし、何に感染したのかわからないと思いますが、素人からすれば肌荒れなのか?菌の感染なのか?が分かれば十分じゃないでしょうか?
頭に使えば頭部白癬
身体ならたむしや癜風(でんぷう)
股ならインキンタムシなのか?かぶれなのか?紅色陰癬なのか
どのくらいの範囲に侵食されているか目でわかるようになります。
意外な使い道
このウッド灯に別の使い道がありました。
尿にも反応するため猫を飼っている場合、家にマーキングされると乾燥するとニオイはするがどこにおしっこされたかわかりません。
しかし、犬や猫のおしっこに照らすことで発光するので発見することが可能です。
自宅のトイレの壁も照らせば、飛び散りを知ることができるでしょう。