小水疱型足白癬の人は、固く張り詰めた水ぶくれが足の裏にできるようになる。
この水ぶくれですが、人間不思議なものでどうしても気になってしまい、穴をあけて中の水をだしたくなってしまうのもである。
基本的に水ぶくれは破らない
ちなみに菌はこの水疱の内側に潜んでいることが多い。
白癬とは、角質にいる菌の代謝が行われた際に作られる物質に免疫が反応して、炎症やかゆみが引き起こされます。それが刺激性皮膚炎になるのです。
ただすべての水ぶくれに菌がいるわけではなく、炎症反応から水ぶくれになっている場合は、水疱を破ったところで炎症が改善するわけではない。
しかし、水ぶくれの内容物がアレルゲンになることで白癬疹になりやすいという考え方からすると、水ぶくれに小さい穴をあけて液体を抜くほうがいいという考え方もあります。
また、小水疱型白癬でみられる水疱は表皮内水疱で、水ぶくれの一番底になる部分は有棘層上部、顆粒層直下におよんでいる。
水ぶくれの皮をとってしまうと有棘層まで露出し、疼痛のため歩行困難になることがあり、また細菌による二次感染を起こしやすいので、小水泡はなるべく破るべきではないのだ
こんな時もある
小さな水ぶくれ達が融合して、多房性の大きな水ぶくれになることがある。
炎症が強くなると疫痛、発熱、蜂窩織炎(ほうかしきえん)、リンパ管炎をきたすことがある。
蜂窩織炎(ほうかしきえん)
細胞が広範囲にわたって融解している、細胞が壊死分解されている状態
化膿性炎症です。
そのため、大きい水疱は破って排液し、早く炎症を抑えるためステロイド軟青を塗布し、抗真菌薬の内服を行うか、また一時白癬の治療を中止し、病巣に冷湿布、抗菌薬軟膏を塗布して、抗菌薬を内服することもある。 :
消毒は細菌二次感染予防のために使う
普通使われている消毒薬に抗白癬作用があるという報告はいくつかあるが、いずれも培養した菌に対する抗菌力で、病巣に塗布した効果の報告はない。
菌の生存率を比較した報告があります。
高濃度の塩化ベンザルコニウム、グルコン酸クロルヘキシジン、ポピドンヨード、消毒用エタノールにはいくらか殺菌効果はあったが、普通消毒用に使用されている濃度では抗真菌力はほとんどな く、また手指の消毒に使用されるグルコン酸クロルへキシジンーアルコール溶液にはまったく殺菌力はなかった。
水泡を破ったびらん面に消毒薬を使用するのは抗真菌作用を期待してではなく、細菌の二次感染を防ぐためであって、感作されやすく皮膚炎を悪化させる危険があるので、最近二次感染が確実でなければ消毒はしない。